【新唐人2013年12月14日付ニュース】ここ2カ月、中国ではスモッグが多発しています。まず東北地方で、「史上最悪」と言われた大規模なスモッグが起こった後、最近では100以上の都市、つまり中国大陸の半分がスモッグに覆われました。スモッグは北から南に拡散していますが、有効な措置を取らない当局に対し、市民は怒りと不満を隠せません。
国営メディアによると、中国の中央気象台は12月8日もスモッグ警報を出しました。警報は、この日で7日目でした。しかも最近、スモッグは北から南へと広がり、国土の半分に及んでいます。また、当局のデータによると、20の省、104の都市で深刻な大気汚染が起きました。
これまでスモッグは北部が中心でしたが、今回は南部が真っ先に被害を受けました。当局によると、中部、東部のほとんどが被害を受け、特に深刻だったのが江蘇省、浙江省、安徽省です。
現在、高速道路や空港の閉鎖、工事の停止、学校の休校など、市民生活に影響していますが、「当局は有効な手を打っていない」と、市民は不満を隠せません。
杭州市 来さん
「政府は具体的に何の措置も取っていません。せいぜいテレビで報道したり、車両の通行制限するくらいです」
また、各地で交通事故が多発しています。河北省唐山市では、車両20台が絡む玉突き事故が起こりました。
上海市 陳啓勇さん
「いつも視界が悪いです。交通事故をよく見かけます。地元のテレビも報道していますが、最近 スモッグによる事故が増えています」
その他、呼吸器系の病気も増えており、内科や呼吸器科の患者が激増しました。
上海市 陳啓勇さん
「基本的に外に出られません。出たら、呼吸が苦しいですから。最近 のどが痛いです。医者によると、スモッグが原因です。病院に行くのはせきや風邪など、呼吸器系の病気です」
浙江省 蒋さん
「家族は皆せきをしています。前は大気指数が200~300でしたが、その後、500になりました。翌日起きると、声がかれてしまい、今でも声がおかしいです」
当局は数年前、スモッグを軽減する対策を取ると約束したものの、現在、スモッグは逆に悪化しています。12月8日、有名なテレビ司会者が「環境の災難は、政府こそ最大の責任者だ」とミニブログで述べた書き込みは、10万回以上、転送されました。一方、国営テレビがウェブサイトで、5つの利点を挙げてスモッグを評価したところ、市民の怒りを買いました。
浙江省 蒋さん
「スモッグで平等になる?こんな政権に希望が持てますか?スモッグがよいと言う政府など対策を取らないでしょう」
スモッグが多発し悪化した真の原因について、当局は、真剣に答えてきませんでした。国営メディアやいわゆる「専門家」も、きちんとした説明をしていません。
当局は「石炭やワラを燃やす暖房が原因」と言っていますが、南部にはそのような暖房が必要ありません。また「自動車の排気ガス」とも言われますが、中国より交通密度の高い国でも、これほどのスモッグは起きていません。
ネットでは、こんな書き込みがありました。「当局は無理な解釈で、世論をもてあそぶ。場当たり的な対応に効果はない。大地を害すスモッグの解決には、GDPを追う政治との決別が必要だ」。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/12/11/atext1021770.html(中国語)
(翻訳/河合 ナレーター/萩野 映像編集/工)